このページは、ゴアテックスは自宅で洗えるのか、またゴアテックスの正しい洗濯方法を紹介しています。
健康志向の方や美意識の高い女性を中心にブームとなっている「運動」。私たちはカラダを動かすことで、様々な健康や美容効果を期待することができます。
・生活習慣病やロコモティブシンドロームの予防
・筋力やカラダの機能を維持
・心肺機能を向上させて疲れにくくする
・ヒザや腰の痛みを軽減
・血流改善による肩こりと冷え性の緩和
・免疫力を高める
・新陳代謝が促される
・成長ホルモンの分泌を促進
・気分転換によるストレス緩和
・不定愁訴 (原因不明の違和感) の低減
また最近ではオシャレなスポーツウェアも増えています。出会いの場として運動にチャレンジされる方も増えており、幅広い世代の方々の間で運動をすることがブームとなっています。
ただ運動をするにあたり、2つ注意しなければならないことがあります。
それは「天候」と「汗」です。
・ウェアの中に水が染み込まないように防いでくれる「防水性」
・汗などの蒸気を外へ逃がす「透湿性」
・水を生地の表面で弾いてくれる「撥水性」
運動中に雨や雪が降ってきたりカラダを動かしていて汗をかいた時に、この3つの性能はウェア選びで最も大切なポイントとなります。
そこで今回は、これら3つの性能を兼ね揃えた素材「ゴアテックス」の魅力と、3つの性能を維持するための正しい洗濯方法についてご紹介します。
目次
ゴアテックスとは?
ゴアテックスとは、1969年にアメリカのW.L.ゴア・アンドアソシエーツ社によって開発された防水性と透湿性を兼ね揃えた衣類素材のことです。
『ゴアテックスという生地が使われているスポーツウェアを見たことない』という方も多いのではないでしょうか。
ゴアテックスとは、衣類素材の中でも特殊なジャンルに分類されており、“生地であって生地ではない”特別な存在となっています。
スポーツウェアやアウトドア用の衣類・手袋・靴などでよく使われている「ゴアテックス製品」という言葉ですが、実は『この商品はゴアテックスファブリックを使用した商品ですよ』という意味であり、ゴアテックスそのものを使用しているわけではありません。
ゴアテックス製品には必ず「ゴアテックスメンブレン」が核として使用されています。
ゴアテックスメンブレンとは、延伸ポリテトラフルオロエチレン (ePTFE) の非常に薄い膜のことであり、平たく言うとフッ素系樹脂の膜です。
ゴアテックスメンブレンは、1平方センチメートルあたり14億個以上の孔があり、水滴の2万分の1という極めて細かい孔によって雨の侵入を遮断することができる優れた防水性があります。
さらにこの孔のサイズは、水蒸気分子よりも700倍ほど大きいため、雨を通さず汗だけをスムーズに通過させる透湿性と、生垣のように外から入ってきた風を分岐部分で捉えて内部に侵入するのを防ぐ防風性も兼ね揃えています。
そのため常にカラダをドライに保ち、衣類の中を快適な状態にし続けることができます。
今ではスポーツやアウトドアシーンだけではなく、季節の変わり目になると降り続く長雨シーズンや寒さが厳しくなる冬の時期など、通勤や通学中にカラダが濡れたり冷えたりしないようにと、ゴアテックス製品を着ている社会人や学生も増えています。
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日常生活のあらゆるシーンで活躍中のゴアテックスですが、気になるのが洗濯の方法です。
一般的に防水性のある衣類は洗濯機で洗ってはいけないと言われています。
それは防水性のある衣類は水を通さないため、洗濯・脱水槽が回転しても水分が衣類から抜け出すことができません。その結果、水が偏ったり急に抜けたりすることで、ガタンガタンと洗濯機が激しく振動したり洗濯物が飛び出してしまうことがあります。
さらに洗濯槽が高速回転している最中に洗濯機がバランスを崩してしまうと、回転の停止が間に合わずに洗濯機本体が倒れてしまうこともあります。
ところが優れた防水性と透湿性、防風性を兼ね揃えたゴアテックスは、正しい洗濯方法をマスターすることで、洗濯機で問題なく洗うことができます。
基本的なゴアテックスの洗濯の仕方
[用意するもの]
・ゴアテックス製品のアウターウェア
・40℃のぬるま湯
・液体タイプの洗濯用洗剤
・洗濯ネット
[手順]
①洗濯絵表示を確認します。メーカーによっては自宅で洗濯できない場合もあります。ゴアテックス製品を洗濯する際は、必ず洗濯絵表示を確認しましょう。
②洗濯ネットに入れる前に、アウターウェアのジッパーやベルクロ(マジックテープ)を全て閉じてください。この時ポケットの中に手を入れて、中を確認することも忘れずに!
③アウターウェアをキレイに畳んで洗濯ネットに入れます。
④洗濯用洗剤のラベルに表示されている分量よりも少なめの洗剤を入れて40℃のぬるま湯を洗濯機に張ります。
⑤洗濯機のコース選択で「弱水流」「すすぎ2回」を選択します。すすぎは必ず2回以上行いましょう。
⑥洗濯が完了したら風通しの良い日陰で半日ほど乾かしてください。
ゴアテックス製品を手洗いする方法
[用意するもの]
・ゴアテックス製品のアウターウェアなど
・液体タイプの洗濯用洗剤
・洗濯物がスッポリ入る桶やタライ
[手順]
①洗濯絵表示を確認後、アウターウェアのジッパーやベルクロ(マジックテープ)を全て閉じておきます。この時ポケットの中に何も入っていないことも合わせて確認しておきましょう。
②アウターウェアがスッポリ収まるサイズの桶やタライを用意し、40℃以下のぬるま湯を張ります。
③②に洗濯用洗剤100mlとアウターウェアを入れます。
④ジャブジャブと泡立てながらウェア全体を洗ってください。この時に絶対に揉み洗いをしないようにしてください。
⑤洗い終えたら、汚れをしっかり落とすために15分ほど浸け置きます。
⑥15分後、ぬるま湯が泡立たなくなるまでしっかりとすすぎを行います。汚れと洗剤を落とすことを意識し、通常の手洗いよりも入念にすすぎを行ってください。洗剤が残りやすい細かい部分も忘れずにすすぎましょう。
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柔軟剤や漂白剤などの使用は厳禁
ゴアテックスは定期的に洗濯することで、撥水性の維持や回復効果を得ることができます。そのため洗濯方法は各メーカーによって若干異なりますが、基本的にはお家で洗濯することが可能となっています。
ただし私たちが普段着ている衣類やタオルと同じ感覚で、ゴアテックスを使用しているアウターウェアを柔軟剤や漂白剤などを使用して洗濯してしまうと、撥水性の機能低下や生地の脱色などゴアテックスの性能に悪い影響を与える恐れがあります。
必ず2回以上「すすぎ」を行う
ゴアテックス製品を洗濯した際、少しでも洗濯洗剤が残ってしまうと、表生地に備わっている本来の撥水性能や防水性能が低下してしまう可能性があります。
特に防水性の高い素材は水が通りにくい構造をしているため、1回のすすぎでは洗濯洗剤をスッキリ洗い流すことができないことがあります。目安としては、通常の洗濯の2倍以上すすぎを行うことがポイントです。
脱水をしてはいけない
ゴアテックス製品を洗濯する場合、絶対にやってはいけないことが「脱水」です。
ゴアテックスは水分が通過しにくいという性質があるため、洗濯機のような遠心型の脱水機にかけてしまうと、洗濯機の故障や大事故に繋がります。
『ならば手でギュッと絞れば良いのでは?』と思われた方もいると思いますが、手で絞ってしまうと繊維が破壊されてしまい、ゴアテックス本来の性能が失われてしまう恐れがあります。
ゴアテックス製品を洗濯した場合は、無理に水気を切ろうとせず、ハンガーなどに掛けてゆっくりと脱水していくようにしましょう。
ゴアテックスを洗濯する際にオススメの洗剤は?
お家でゴアテックス製品を洗濯する場合、使用する洗剤にもこだわりましょう。
ゴアテックス製品を長く愛用するために注意する点はいろいろありますが、最低でも以下の4つを守って洗剤を選ぶようにすると、ゴアテックスの性能を低下させることなく洗濯することができます。
・柔軟剤や漂白剤、蛍光成分などが含まれていない
・粉末タイプは洗剤が残りやすいので、必ず液体タイプを使う
・ウェットスーツ専用など目的の異なる洗剤は使用しない
・弱アルカリ性よりも中性を選ぶ
最近ではゴアテックス専用の洗濯洗剤も販売されておりますが、値段が高くランニングコストが掛かってしまいます。
日本ゴア株式会社では、洗剤に関して特別なものは無いとしており、ドラッグストアやホームセンターなどで購入できる無添加の純石けんや蛍光剤・漂白剤・着色料・柔軟剤が無添加の中性洗剤などを使って洗濯しても問題ありません。
洗った後のメンテナンス方法とは?
洗濯後は風通しの良い場所で日陰干しをする
ゴアテックスを洗濯したら、すぐにハンガーに掛けて風通しの良い日陰でしっかり乾かしましょう。
Tシャツやタオルなどとは異なり、ゴアテックスは優れた防水性によって水分を通しませんので、いくら洗濯機の脱水機能や手でギュッと絞っても、水気を切ることができません。それどころか脱水することで繊維に悪い影響を与えてしまい、ゴアテックスの性能を低下させてしまう恐れがあります。
また内部までスッキリ乾かしたいからといって、直射日光の当たる場所で乾かしてしまうと、紫外線によるダメージが残ってしまうことがあります。
時間をかけてゆっくりと乾かしていくことが、ゴアテックスを長持ちさせる秘訣となります。
乾かしたらアイロンをかける
ゴアテックス製品の撥水性を保つためには、しっかり乾燥させた後にアイロンをかけましょう。
アイロンのかけ方は、自然乾燥させたゴアテックス製品に当て布をし、低温~中温に設定したアイロンで丁寧にかけていくだけです。
アイロンが無い方は、しっかりと乾かした後に20分ほど乾燥機に入れてゴアテックス製品を温めてあげましょう。
アイロンや乾燥機で温めても撥水性が回復しない場合は、クリーニング店に相談する、もしくは撥水剤を使用するのがオススメです。
まとめ
ゴアテックス製品の寿命は使い方次第で大きく異なりますが、ゴアテックス製品の核に使用されているゴアテックスメンブレンそのものは、ほとんど劣化することがありませんので、防水性や耐湿性、防風性などの性能が大きく変化することはありません。
ただ長く愛用していくためには、以下の3つを守って着用することがポイントとなります。
・それぞれのウェアに合った着用をする
・日頃から汚れを落とすなどのメンテナンスを行う
・アウターに破損が見られる場合は買い替える
健康や美容を維持するために運動を始めようとお考えの方、長雨が降り続く梅雨や寒さの厳しい冬の時期に、防水・防風対策としてゴアテックス製品を購入しようとお考えの方は、この機会にゴアテックスを少しでも長く愛用できるよう、正しい洗濯方法とメンテナンスのやり方をマスターしておきましょう。
ダウンクリーニングの料金相場(撥水加工込み)は?出す頻度や出し方の注意点などまとめて解説!