誰もが1度は経験したことのある「おねしょ」。
おねしょとは、これまで子どもだけに起こるものだと思っていた大人も多いと思いますが、トイレで用を足す夢を見た時や酒を飲み過ぎて眠ってしまった時などに、おねしょをしてしまう大人も増えています。
おねしょをしてしまうと、年齢問わずあまりの恥ずかしさとショックから急いで隠そうとしてしまいがちですが、おねしょをした布団を放置してしまうと、臭いや雑菌の温床となってしまい、健康や美容にもよくありません。
そこで今回は、おねしょをしてしまったときの布団の正しい洗い方からおしっこの臭いをスッキリ取る上手な対処法などについてご紹介します。
目次
おねしょで汚れてしまった布団の正しい洗い方
おねしょをしてしまうと、あまりのショックに頭の中が真っ白になり、つい臭い対策として布団に市販の消臭スプレーを直接吹き付けたり、雑菌の増殖を抑えるために70℃以上のお湯で洗ってしまいがちですが、これではおねしょによる臭いや雑菌の増殖を抑えることはできません。
おねしょは、眠っている間に布団のなかで知らず知らずのうちにおしっこをしてしまうことです。おしっこの成分は90%以上が水分となっていますが、残りの10%には尿素やアンモニアなどのたんぱく質の代謝によってつくられた老廃物などが含まれています。
そのため市販の消臭スプレーをおねしょに吹き付けてしまうと、消臭スプレーに含まれる香り成分とおしっこの臭いが混ざり合って悪臭を放つようになり、70℃以上のお湯で布団を洗ってしまうと、おしっこに含まれる微量のたんぱく質が凝固しておねしょ汚れが落ちにくくなってしまいます。
では早速、おねしょで汚れてしまった布団の正しい洗い方の手順をご紹介します。
布団の正しい洗い方
[必要なもの]
・紙おむつ (無ければ乾いたキレイなタオル、新聞紙などでもOK!)
・クエン酸またはミョウバン
・重曹
・スプレーボトル
・40℃前後のぬるま湯
[あると便利なもの]
・布団乾燥機
・ドライヤー
手順
① おしっこで濡れている部分に未使用の紙おむつを広げて押し当てます。未使用の紙おむつが無い場合は、乾いたキレイなタオルや新聞紙でおしっこの水分を取り除きます。どちらも無い場合は、粉末の重曹をおねしょ部分にたっぷり振りかけてください。
② 40℃前後のぬるま湯をタライや桶、浴槽に張り、おねしょ部分にぬるま湯を掛けながら揉み洗いもしくは踏み洗いをします。
布団全体を洗濯する場合、浴槽にぬるま湯を張ったら布団を沈めて踏み洗いをしましょう。布団を洗濯することで、布団に染み込んでしまったおしっこの成分が薄まり、雑菌の増殖や臭いの発生を最小限に抑えることができます。
③ 洗った布団の臭いを確認し、まだおねしょの臭いが残っている時はクエン酸水をおねしょ部分に吹き付けます。
おねしょによる臭いの原因はアンモニアによるものです。アンモニアはアルカリ性ですので、酸性の性質を持つクエン酸または水に溶けると酸性となるミョウバンを使って中和させましょう。
なお重曹はアンモニアと同じアルカリ性の性質を持っていますので、消臭効果は期待できません。
④ 布団を洗い、クエン酸水を吹き付けて臭いを落としたら布団を干します。洗濯した布団を湿ったまま放置してしまうと、雑菌やカビの発生原因となります。
特に春から夏にかけての温かい時期は、雑菌やカビに加えてダニの増殖にも繋がってしまいます。布団は天日干しができないため、日陰干しでしっかりと内部まで乾かしましょう。
天気の都合上、どうしても布団の中まで乾き切らなかった場合は、布団乾燥機やドライヤーを活用して布団の中まで十分に乾かしてください。
⑤ 布団を乾かしている間に、おねしょで汚れてしまった布団のカバーやシーツ、タオルケットなどを洗っていきましょう。
大半の方が、おねしょ汚れがシミになってしまうのを恐れて、すぐに洗濯機で洗濯してしまいますが、洗濯機で洗う前におねしょ汚れを洗い落とし、クエン酸水を混ぜた40℃前後のぬるま湯で揉み洗いしておくと、おねしょがシミになるのを防ぎ臭いも抑えることができます。
もしクエン酸が無い場合は、ぬるま湯にレモン果汁やお酢を少量加えた溶液で揉み洗いしてください。
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ベッドの場合、布団とは違ってタライや桶、浴槽などで丸洗いすることができません。また現代のベッドはスプリングを張った床座の上に小さなスプリングをたくさん詰め込んだマットレスを置いて、その上に薄めのパッドとシーツを敷いて使用されています。
ベッドの床座の上に置くマットレスには、スプリングマットレスの他に高反発ウレタンや低反発ウレタン、ラテックスなどの素材が使用されており、それぞれの素材に合わせた洗い方でおねしょ汚れを落とさなければなりません。
スプリングマットレスの正しい洗い方
手順
① マットレスの表面にあるおねしょ汚れを濡れタオルで拭きます。スプリングマットレスの場合、側生地を取り出すことができないことが多いので、側生地の上から洗うことになります。
ただ布団のように本格的な洗濯はできませんので、臭いの原因であるアンモニアを中和するために乾いたキレイなタオルに、酸性の性質を持つクエン酸水や水に溶かすと酸性となるミョウバン水を吹き付け、ポンポンと叩いておねしょ汚れを拭き取っていきましょう。
汚れがひどい場合は、中性洗剤を含ませたタオルで叩き洗いしてください。
② 扇風機やドライヤーを使ってマットレスを中まで乾かします。扇風機やドライヤーの風をマットレスに当てて中までしっかりと乾かしていきましょう。
マットレスも布団と同じく、しっかりと乾かさずに放置してしまうと、雑菌やカビ、ダニの温床となってしまいます。
③ 乾かした後も臭いが残っているようならばクリーニングに出します。
おねしょに気付くのが遅かったり、おねしょをそのまま放置してしまうと、マットレスの内部にまでおねしょが染み込んでしまい、臭いを完全に取り除くことができなくなってしまうことがあります。
どうしてもマットレスからおねしょの臭いを取り除きたい方は、出張クリーニングを行っている専門業者に依頼してマットレスを中までキレイに洗ってもらいましょう。
高反発ウレタンマットレスの正しい洗い方
手順
① マットレスから側生地を取り外し、クエン酸水を混ぜた40℃前後のぬるま湯で手洗いします。側生地が取り外せない場合は、無理やり取り外さずにマットレスごと手洗いしましょう。
② ①の後、洗濯機に側生地を入れて洗濯していきます。
③ 側生地を洗濯中にマットレスの中材がおねしょで濡れているかを確認してください。もし中材までグッショリ濡れていたらぬるま湯で洗い流しましょう。
洗い流している途中でクエン酸水を少量垂らして揉み洗いすると、臭いを取り除くことができます。汚れがひどい場合は、キレイなタオルに中性洗剤を少量垂らして叩き洗いをしてください。
④ 乾いたキレイなタオルを押し当てて水気をしっかりと抜き取ります。高反発ウレタンを濡れたまま放置するのはご法度です。
しっかりと押して水を切ってください。ただし搾ってしまうとウレタンがちぎれて元に戻らなくなってしまいますので注意しましょう。
⑤ 高反発ウレタンと側生地をしっかりと乾かします。 マットレスや側生地を屋外に出して内部までしっかりと乾かしたくなる気持ちは分かりますが、この2つを屋外に出すのは非常に骨が折れる作業となります。
そこでマットレスと側生地を乾かす際は、屋内で扇風機やドライヤーの風を当てて、内部までしっかりと乾かすのがオススメです。
特に高反発ウレタンを湿った状態で放置してしまうと、ヘタりや劣化を早める原因となりますので、しっかりと乾かすようにしてください。
低反発ウレタンとラテックスマットレスの正しい洗い方
手順
① 低反発ウレタンとラテックスのマットレスにおねしょをしてしまった場合、まずマットレスから側生地を取り外し、クエン酸水を混ぜた40℃前後のぬるま湯で手洗い後、洗濯機で洗濯してください。
側生地が取り外せない場合は、高反発ウレタン同様マットレスごと手洗いします。
② 側生地を洗濯中にマットレスの中材に染み込んでしまったおねしょをキレイに拭き取ります。おしっこをキレイに拭き取ったら、クエン酸水に浸したキレイなタオルを使って、再度おねしょ部分を拭き取ってください。
ただしクエン酸水にタオルを浸し過ぎてしまうと大きく劣化してしまうので気を付けてください。
またラテックス製のマットレスは日光に弱い性質を持っていますので、窓に近い場所にラテックスマットレスを置いている場合は、遮光カーテンで日差しを遮ってから作業に移りましょう。
③ マットレスと側生地を乾かしていきます。扇風機やドライヤーの風を直接マットレスや側生地に当ててしっかりと乾かします。
低反発ウレタンは水分が抜けにくい性質となっていますので、表面が乾いているからといって安心してはいけません。内部まで十分に乾かしてから側生地やパッド、シーツを敷くようにしてください。
マットレスは布団よりも洗い方が難しいため、ベッドで就寝されている方は事前におねしょ対策を行っておくことをオススメします。
どうしてもこれらの洗い方ではおねしょの汚れや臭いが取れない場合は、お洗濯のプロであるクリーニング業者に依頼したり、買い替えるという選択を考えた方が良いでしょう。
乾いてしまったおねしょのシミ汚れを落とす洗い方
おねしょをしてしまった場合、
① 速やかに未使用の紙おむつや粉末の重曹などを使っておしっこを吸水する。
② 布団やマットレスに付いたシミ汚れを洗い落とす。
③ クエン酸水やミョウバン水などを使って染み付いてしまったおしっこ臭を消しとる。
④ 布団をしっかりと乾かす。
この流れで布団やマットレスからおねしょ汚れを落としていくのですが、おねしょを長時間放置したり、気付くのが遅すぎて乾いてしまった場合、いくら洗っても布団やマットレスにおしっこによる黄色いシミ汚れが残ってしまうことがあります。
そんな頑固なおしっこの黄色いシミ汚れには、色柄物にも使用可能な酸素系漂白剤を使いましょう。
酸素系漂白剤を使った黄色いシミを落とす方法
パジャマや下着などの衣類は、浸け置き洗い後しっかりと水洗いをする、もしくは洗濯機で洗いましょう。
カーペットや布団などは、薄めた漂白剤を毛先の柔らかな使い古しの歯ブラシに付け、染み汚れを優しくブラッシングします。ブラッシングした部分を濡らしたキレイなタオルで複数回“ポンポン”と漂白剤を染み込ませた部分を叩いて、漂白剤を取り除いて行きましょう。
漂白剤を使うことに抵抗がある方は、クエン酸やお酢などを使っておしっこによる黄色いシミ汚れを落とすのがオススメです。特にお酢はどのご家庭にもある調味料であり、おねしょの黄色いシミ汚れだけではなく臭いも同時に消し去ることができます。
お酢を使った黄色いシミ汚れを落とす手順
① お酢と水を「1:1」で割ります。
※臭い対策として酢水を使用する場合、「お酢1:水4」の割合で作るのがポイントです。
② スプレーボトルに①で作った溶液を入れ、おねしょが乾いて黄色いシミ汚れとなってしまった部分に向かってたっぷり吹き付けます。
③ 乾いたキレイなタオルを②の上に乗せ、タオルに酢水を吸収させます。
④ 酢水を吹き付けた部分に粉末の重曹をたっぷり振りかけ、内部まで浸透してしまった水分を吸収してもらいます。
⑤ 2時間から3時間ほど放置すると重曹が水分を吸収して固まってきますので、固まった重曹を掃除機でキレイに吸い取ってください。
⑥ 布団は日陰干し、マットレスは扇風機やドライヤーの風を当てて、内部までしっかりと乾燥させればしみ抜き完了です。
オススメのおねしょ対策グッズをご紹介!
おねしょとは、眠っている間に布団の中で知らず知らずのうちにおしっこをもらしてしまうことを言います。
おねしょ自体は病気ではなく、体が未成熟な子どもの頃は膀胱がまだ小さく、昼夜問わず同じ量のおしっこが作られてしまうため、24時間好きなタイミングでおしっこをしてしまいます。
しかし5歳から6歳の小学校入学前後以降にみられるおねしょの場合は「夜尿症」という病気になります。
夜尿症の定義は、
・小学校入学前後を過ぎても夜間就寝中におしっこを漏らす現象が認められる
・1ヶ月に1回から2回以上のおねしょが3ヶ月以上続いている
・夜間覚醒を伴わない
となっており、5歳から6歳になっても夜尿が続く場合は、専門家による積極的な生活指導や薬による治療などが必要となります。
ただ病気でない「おねしょ」と病気である「夜尿症」は、どちらも眠っている間に布団の中で知らず知らずのうちにおしっこをもらしてしまうという点では同じですので、おねしょ対策グッズを活用することで睡眠に対する不安や恐怖をある程度解消することができます。
おねしょ対策グッズには、おねしょパンツやおねしょズボン、おねしょケットなど色々ありますが、敷布団の上に敷く防水シーツと掛布団がおしっこで濡れるのを防ぐ防水掛布団カバーは、年齢問わず使用することができるとたいへん人気があります。
ただし、防水シーツを購入する場合、
・撥水性と防水性
・表生地の種類
・防水範囲
・使用回数制限
・洗濯方法
・サイズ
などが大きく異なりますので、使用目的に合わせて選ぶようにしましょう。
まとめ
おねしょした時の布団の洗い方と臭いや黄色いシミ汚れが取れる上手な対処法について詳しくご説明させて頂きましたが、いかがでしたでしょうか。
これまで『おねしょ=子ども』というイメージを持たれていた方もたくさんいたと思いますが、加齢・ストレス・自律神経の乱れ・睡眠障害・生活習慣や食生活の乱れ・病気・怪我・妊娠・出産などが原因で大人でもおねしょをすることがあります。
おねしょとは、人間ならば誰しも1度は経験したことのあるものであり、決して恥ずかしいことではありません。むしろおねしょを恥じて隠していることの方が恥ずかしいことです。
おねしょをしてしまっても正しい洗い方や対策方法を知っていれば、布団やマットレスにダメージを与えることはありません。
もし5歳から6歳以上の子どもや大人の方で頻繁におねしょをするようであれば、1度専門医に診てもらい、正しい治療を受けることを強く推奨します。